『帰らない日曜日』たった1日で運命は変わる。裸の女性が芽吹く物語
美しい。ホンッとに美しい映画なの。
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「名家の御曹司とメイドの秘めた恋の行方は…」
なんて聞くと、ちょっとエッチな恋愛映画なんじゃない!?って思うでしょ。
全然そんなことはありません!
確かに1つの恋愛がキーになっていることに間違いはないんだけれど、
それだけで終わらないのがこの作品。
1924年のイギリスが舞台。
第一次世界大戦が終わった頃。
戦争には勝ったけどその代償は大きくて、喪失感漂う時代。
14歳でメイドになった孤児のジェーンの恋のお相手は、
お隣に住む名家の跡取りポール。
2人は絶対秘密の、身分違いの恋愛をしているのね。
けれど、ポールは名家のお嬢様と婚約してて…というありがちな関係図ではある。
そんな中ジェーンとポールは、
1924年の3月30日、母の日の日曜日に誰もいない邸宅で愛を確かめ合うわけ。
つまるところ2人の恋がどうなるのか?
ってのは内緒にしておくわ。
兎にも角にも、何十年か経ったのちのジェーンが、
その日のことを振り返ってるっていうのがこの映画の構図なの。
母の日の日曜日に何が起こって、
ジェーンの運命をどう変えたのか。
それは映画を観てのお楽しみにしておく。
で、なんと成長したジェーンは名だたる賞を取り巻くって
成功した女流作家になってるのよ。
それが、この作品のもう一つの見どころでもある。
孤児だったジェーンが、
裸一貫から大作家への階段をどう登っていったのか。
戦争で名だたる名家の息子たちは亡くなって、
衰退する上流者階級と、
戦後勢いを増していく労働者階級という縮図も、
この作品には込められている。
もっと言えば、メイドから自由な身分の作家へ…
という女性の自立や解放といったことも内包していると言えるわね。
そういう意味もあって、
この「帰らない日曜日」は、単なる恋愛映画じゃないのよ。
いろんな見方ができる作品。
しっかりした原作があっての、この映画。
甘酸っぱい初恋から始まる物語が、
美しい映像と音楽で綴られていく。
恋愛気分を味わいたい女子も、
それだけじゃ物足りない女子も、
どちらにも見ていただきたい作品だわ。
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