『私がやりました』犯人の座を巡って新人女優と大物女優が大激突!? フランス版スクリューボール・コメディ。

こんなにお洒落なクライムミステリーあったかしら!?

映画『私がやりました』は、クスクス笑いが止まらない、華麗なる犯罪の取り合いっこ。

舞台は、1935年のパリ。

売れない新人女優のマドレーヌは、ある日有名プロデューサー殺害の容疑者に。

そこへ助け舟をだすのが、こちらも駆け出しの弁護士で、ルームメイトのポーリーヌ。

© 2023 MANDARIN & COMPAGNIE ‐ FOZ ‐ GAUMONT – FRANCE 2 CINÉMA ‐ SCOPE PICTURES – PLAYTIME PRODUCTION

二人は罪を被り、法廷で正当防衛を主張。

無罪を勝ち取るわけ。

裁判での告白は、ポーリーヌが書いた脚本のようなもの。

それをもとに、一世一代の演技で女性の権利を訴えたマドレーヌ。

これがご時世にハマって、マドレーヌは一躍スターダムに。

ポーリーヌも売れっ子弁護士になって、2人は豪邸にお引越しするのね。

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そこへ現れたのが、だいぶご無沙汰な大物女優オデット。

「真犯人は私。自分の犯罪で得た富と名声の代償を頂戴」と2人をゆするわけ。

そこからはもう、犯人の座を確定させようと3人の女性たちによる駆け引きが始まる。

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奇想天外な登場人物、テンポのよい洒落た会話、つぎつぎに起きる事件と波乱に富んだスートーリー。

この要素、実は、1930年代から40年代、ハリウッドで流行ったスクリューボール・コメディの典型なのよね。

メガホンを取ったのは、フランスを代表する名匠フランソワ・オゾン監督。

ラブストーリーから社会派ドラマや感動作まで、どれを撮っても傑作に仕上げる天才よ。

そのオゾン監督自体、この作品は、スクリューボール・コメディのテイストを持たせたと語っているわ。

COVID-19によるロックダウン中からコメディをつくろうと考えていたそうよ。

主人公のマドレーヌは、ちょっと天然ちゃんだったりするの。

対比するように、親友のポーリーヌはしっかり者。

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彼女たちをとりまく、ダメダメなおじさんたちとの会話はすっごく笑えるのよ。

そこにド派手な大女優オデットが絡んできてもう抱腹絶倒。

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ダメなおじさんたちの中で唯一、スマートな紳士が登場します。

建築家のパルマレード。

彼はマドレーヌに言うの。

「僕は妻を愛している。男性に助けを求めるために、女性が身を捧げる必要はない」

もうこの一言。

やっと真っ当な意見が出てきて気分がスッキリするわよ。

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それにしても、「役が欲しければ身を差し出せ」なんて古臭い! って思うじゃない？

でも、フタを開けてみれば、おんなじセリフで#MeToo運動が起きてるのが現代なのよ。

1930年代からなにひとつ変わってない。

つまり、変わらぬ悪しき風潮を、シリアスじゃなくてコメディにしたのがこの作品っていうことね。

最高にゴージャスなコメディよ!! ご堪能あれ!

予告編&映像が見たい時は、こちらもよろしく!

作品タイトル:『私がやりました』

全国順次公開中 配給:ギャガ

© 2023 MANDARIN & COMPAGNIE ‐ FOZ ‐ GAUMONT – FRANCE 2 CINÉMA ‐ SCOPE PICTURES – PLAYTIME PRODUCTION

監督・脚本:フランソワ・オゾン『8人の女たち』『しあわせの雨傘』

出演:ナディア・テレスキウィッツ、レベッカ・マルデール、イザベル・ユペール、ファブリス・ルキーニ、ダニー・ブーン、アンドレ・デュソリエ

配給:ギャガ
THE CRIME IS MINE(英題)/2023年/フランス/カラー/シネスコ/5.1chデジタル/103分/字幕翻訳:松浦美奈